火災保険の支払いに関する例題3つ

火災保険の支払額を問う問題は毎回出題されていますが、微妙にバリエーションがあります。この記事では、3パターン程想定したものを例として扱おうと思います。

なお、解き方の解説についてはこちら↓

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問題を解くにあたって

今回は問題文として記載するものではなく、問題を解く上で必要なエッセンスのみ抽出したものを例題として扱います。問題文は書きません。

取り上げる項目は回答に確実に必要になります。なので、ご自身で問題を解く時にも問題文に下線を引いて要点を整理しながら解答すると良いかと思います。

他の記事でも触れていますが、この計算問題は毎回出題されています。くどいかもしれませんが、確実に点を取れるように過去問を繰り返し解いて、覚えてしまいましょう

例題1:残存物取り片付け費用がある場合

・保険の種類:店舗総合保険
・保険金額:1,800万円
・保険価額:3,600万円
・損害額:1,200万円
・残存物取片づけ費用:500万円

例題1−1.損害保険金

まず、保険価額と保険金額の割合を計算する。

保険価額×80%
 =3,600万円×0.8
 =2,880万円 …①

①>保険金額(1,800万円)が成り立つため、支払われる損害保険額は以下により求める。

損害額×保険金額×①
 =1,200万円×1,800万円÷2,400万円
 =750万円

よって、支払われる損害保険額は750万円

例題1−2.臨時費用保険金

損害保険金×30%
 =750万円×0.3
 =225万円

店舗総合保険の限度額500万円を下回るため、225万円

例題1−3.残存物取片付け費用

損害保険金×10%
 =750万円×0.1
 =75万円(限度額)

実際に掛かった片付け費用が500万円で、計算結果はそれを下回るものであるため、支払われる残存物取片づけ費用は75万円

例題2:失火見舞い費用保険金を問われる場合

・保険の種類:住宅総合保険
・保険金額:500万円
・保険価額:1,500万円
・損害額:120万円
・隣家:4世帯

例題2−1.損害保険金

保険価額と保険金額の割合を計算する。

保険価額×80%
 =1,500万円×0.8
 =1,200万円 …①

①>保険金額(1,200万円)が成り立つため、支払われる損害保険金は以下により求める。

損害額×保険金額×①
 =120万円×500万円÷1,200万円
 =50万円

よって、支払われる損害保険金は50万円

例題2−2.臨時費用保険金

損害保険金×30%
 =50万円×0.3
 =15万円

住宅総合保険の限度額100万円を下回るため、15万円

例題2−3.失火見舞い費用保険金

被害世帯×20万円
 =4世帯×20万円
 =80万円

限度額は保険金額の20%(500万円×0.2)なので、100万円。
これを下回るため、答えは80万円(世帯数に応じて支払額が決まるため、建物の数は関係ない)。

例題3:加入割合80%以上の場合

・保険の種類:店舗総合保険
・保険金額:4,000万円
・保険価額:5,000万円
・損害額:3,000万円
・隣家:3世帯

例題3−1.損害保険金

まず、保険価額と保険金額の割合を計算する。

保険価額×80%
 =5,000万円×0.8
 =4,000万円 …①

①≧保険金額(4,000万円)が成り立つため、支払われる損害保険額は損害額とイコールになる。
よって、支払われる損害保険金は4,000万円

例題3−2.臨時費用保険金

損害保険金×30%
 =4,000万円×0.3
 =1,200万円

ただし、店舗総合保険の場合、限度額は500万円であるため、支払われる臨時費用保険金は500万円

例題3−3.失火見舞い費用保険金

被害世帯×20万円
 =3世帯×20万円
 =60万円

限度額は保険金額の20%(4,000万円×0.2)なので、800万円。
これを下回るため、答えは60万円(世帯数に応じて支払額が決まるため、建物の数は関係ない)。

対象物件が「店舗」か「住宅」か

店舗であれ住宅であれ、基本的な解き方は同じですが、違いは臨時費用保険金の限度額。これは確実に覚えておく必要があります。過去の問題を見ていても、この部分を問われているケースが見られました

臨時費用保険金:
・住宅総合保険:100万円
・店舗総合保険:500万円

乱暴な言い方をすれば、損害保険額の解き方を忘れてしまっても、とりあえず限度額を書いておけば当たるかもしれないということ。ただ何となくで山を張るよりは、確率的には良いかと思います。これ意外と重要。

いずれにせよ、計算問題はこれまで毎回出題されているので、対策することは重要です。損害保険金の部分の計算がややこしいですが、覚えてしまえば問題なく解けるでしょう。

過去問をダウンロードして、慣れるまで繰り返し解いてみることをおすすめします。

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この記事を書いた人

30代の損害保険鑑定人。
ITや観光業など全くの別業種から転職。
カレーライスと味噌ラーメンが大好きな、地方出身の2児の父。

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