損害保険鑑定人に必要な資格

損害保険鑑定人に必要な資格

あまり社会的な認知度がない、「損害保険鑑定人」という仕事。

就職や転職時に情報収集する中でも、「資格が必要か」というのは重要だと考えています。ここの情報がわかるだけで、例えば「過去にこういう勉強をしたので役立てられそう」とか、そもそも関連する資格に関する本を読んでみて自分の適正を判断し、応募するかを判断するなど、「職業」と「資格」は志望する上でとても関係していると思います。

今回は、「損害保険鑑定人」の資格について、解説していきます。

目次

必須レベルの資格

「損害保険鑑定人」を行う上で、必ず必要な資格はあるのか?とよく問われます。

答えは「No、必須の資格はありません」

ただ、登竜門的な存在はあります。それは、一般社団法人日本損害保険協会が認定する「登録鑑定人」。年2回試験が行われている資格ですが、ほとんどの会社がこの資格の3級を社員に取らせています

試験は、保険に関する法律などを中心とした「保険・一般常識」建物の構造や材料について問われる「建築」電気に関する基礎知識や金属の性質などの理解が必要な「電気・機械」の3科目

試験範囲が多岐にわたり、一部専門知識が問われるため、無勉強では合格が難しいのが特徴です(工業系専門学校出身者は勉強しやすいと思います)。

逆に、要点を押さえて勉強できれば受かる可能性は高くなります。

損害保険鑑定人につながる資格・知識

また、前述「登録鑑定人」試験に関連する資格を挙げますと、「土木施工管理技士」「建築施工管理技士」「建築士」辺りは直接的に活きてきます

これらの資格は、3級の鑑定人資格を所持している場合に「専門鑑定人」の資格を同時に得ることができますので、日本損害保険協会でも業務に関連がある資格と認めていることがわかります。

ですので、受験時や業務に活かすために勉強するなら、この辺りの資格は有効でしょう。ただ、これらの資格を取得しようとなると実務経験が問われるため、受験そのものが困難なケースがほとんどだと思います。なので、「勉強するならこの分野」程度に考えておくと良いと思います。

損害保険鑑定人から派生する資格・知識

反対に、「鑑定人を持っていると有利になる資格があるか?」と問われると、私の知る限りはないと思います。
ただ、資格取得に必要な勉強は他の資格取得の足がかりになります。

鑑定人試験に出てくる問題ですが、例えば「電気工事士」「日商簿記」等では基本知識としてそのまま問われています。実際に資格を取得しようとすると追加で勉強しなければならない範囲も広いですが、鑑定人試験を入口に、そのままこれらの資格に挑戦してみるのも良いかもしれません。

必須ではないが3級鑑定人は取得しよう

必須の資格ではないけれど、経験上「どんな資格を持っていますか?」とは保険会社からも訪問先からも聞かれることは非常に多いです。そのため、自身の鑑定結果に信頼性を付与するためにも資格はあった方が良いです。

その点、業務上の経験期間を不問としている「3級鑑定人」はうってつけなのです。

ただし、この資格の弱点は「ニッチ過ぎて参考書がない」。試験の主催団体が公式で教科書にしている図書はありますが、工業高校の教科書とかです。一般には入手しづらいことこの上ないです。

そこで、ザックリ要求される知識を把握したい人は2級建築士の本を読むことをオススメします。そのまま3級鑑定人試験対策にも使えますので、損害調査鑑定人を目指す方や就職したばかりの方は、知識の入口として良い本だと思います。

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この記事を書いた人

30代の損害保険鑑定人。
ITや観光業など全くの別業種から転職。
カレーライスと味噌ラーメンが大好きな、地方出身の2児の父。

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